豆乳って何だろう?

健康に良いと評判の豆乳は一体どのように作られているか、そしてどんな
栄養素が含まれているのかご存知でしょうか。
一つずつご紹介します。


豆乳って何?


「乳」という言葉がついていますが、牛乳とは全く異なります。牛乳は動
物性、豆乳は植物性の食べ物です。また、牛乳を飲んでお腹がゴロゴロす
るという人がいると思いますが、豆乳は大丈夫です。乳糖を分解する酵素
がない人は、牛乳を飲むと下痢を起こしやすくなるのです。お腹を下す原
因は、牛乳に含まれる糖成分「乳糖」。豆乳には乳糖が含まれていないの
で、そんな方でも、下痢の心配はありません。最近、植物性ミルクが何か
と話題ですが、ソイミルク=豆乳は昔から広く飲まれている、植物性ミルク
の先駆けと言っても過言ではないのでしょうか。

豆乳ってどうやって作るの?

豆乳の作り方ですが、とても簡単です。3つの工程でできます。

1.大豆を水に漬ける、煮る
大豆を水に漬けておくと約2倍ほどの大きさになり、その後煮て柔らかくし
ます。
2.磨り潰す
丸ごと大豆を磨り潰します。これがザラザラした飲み心地の原因であること
も。
3.搾る
磨り潰した大豆をガーゼで搾ります。工業的にはフィルターにかけて搾りま
す。
つまり、大豆のしぼり汁=豆乳なのです!

豆乳の種類について

豆乳は、日本農林規格(JAS規格)によって、含まれている大豆固形分の
割合で次のように分けられています。


 

●無調整豆乳

大豆固形分8%以上(大豆たんぱく質換算3.8%以上)
原料は基本的に大豆と水だけを使って作られたスタンダードな豆乳です。
大豆本来の味が楽しめます

 

●調製豆乳(大豆たんぱく質換算3.0%以上)

大豆固形分6%以上
飲みやすくするために、豆乳に新たに添加物などを入れ二次的加工・製造
されているので調製と言われています。

 

●豆乳飲料

A)果汁入り:大豆固形分2%以上(大豆たんぱく質換算0.9%以上)
B)その他:大豆固形分4%以上(大豆たんぱく質換算1.8%以上)
調製豆乳に味をつけたものです。

 

豆乳の栄養成分について

豆乳には大豆の栄養素がギュッと詰まっています。代表的なものについて説
明していきます。

・大豆たん白
・カルシウム
・大豆イソフラボン
・大豆サポニン
・オリゴ糖

 

たんぱく質

たんぱく質は、人にとって欠かすことのできない栄養素。筋肉や内臓、血
液、免疫細胞、ホルモンなど、体の大切な部分を作ります。摂り貯めてお
けないため、不足すると体を構成するたんぱく質が分解され、体力が低下
し、あちこちで不調が出てきてしまいます。
また、たんぱく質は肌や髪の毛、爪などの元にもなっているので、不足す
ると、美容にも大きく影響します。肌荒れになってしまったり、髪の毛に
艶が無くなったり、爪が割れやすくなったりなど気にされている方は試し
てみてください。
また豆乳に含まれる大豆たんぱく質は、良質なたんぱく源となっています。

 

カルシウム

体内のカルシウムは、99%は骨と歯に含まれています。残りの1%は血液
や筋肉にあり、血液の凝固を促進したり、筋肉運動など、生命活動に重要
な働きをしています。このためにカルシウムはいつも骨に蓄えられていま
す。
骨は、少しずつ形成と吸収を繰り返して、絶えず作り替えられています。
食事から摂ったカルシウムは、小腸から吸収されて血中に入った後、すぐ
使われる分以外は骨に蓄えられます。血中には常に同じだけのカルシウム
が必要なので、その血中のカルシウムが不足すると、血中濃度を保とうと、
骨に貯蔵されたカルシウムが使われてしまいます。
厚生労働省の調査によると、日本人はカルシウム不足だそうです。
カルシウムは、牛乳、小魚、海草、大豆製品、緑黄色野菜に多く含まれま
す。毎日、継続して摂り入れたいですね。

 

大豆イソフラボン

女性ホルモン「エストロゲン」と似た化学構造をしているため、似た働き
をすると言われています。
年齢とともに女性ホルモンの量が減ってくると、バランスが崩れてココロ
とカラダが不安定に。そんな『ゆらぎ』の時期をサポートするのが大豆イ
ソフラボンです。
大豆イソフラボンには、更年期障害の緩和や骨密度の維持、乳がんや心血
管疾患の予防などに効果があるとされています。また、抗酸化作用や血糖
値を安定させる作用などもあるとされており、健康効果が期待されていま
す。

 

大豆サポニン

大豆に含まれる苦味や渋みの主成分で、泡立つ性質を持っていて、大豆を
ゆでたときに出る泡やアクの中に多く含まれています。苦味があるので、
豆乳を作る際には取り除いてしまう場合もあります。
コレステロールの低減、血糖値の改善、抗酸化作用、免疫力の向上に効果
があると期待されている健康成分です。

豆乳の健康効果について

たんぱく質やイソフラボンなど私たちに有用な栄養をたっぷり含んだ豆乳
は、多くの効果を発揮してくれます。

 

コレステロールを下げる

健康診断で気になる値としてよく上がるコレステロールですが、細胞膜や
ホルモンの材料になるなど、私たちの体になくてはならない成分です。
食品から摂取するコレステロールは20-30%で、、70~80%は糖や脂肪を
使って肝臓などで合成されています。
コレステロールには善玉といわれるHDLコレステロールと悪玉といわれ
るLDLコレステロールの2種類が存在します。2種類のうち、悪玉コレ
ステロールは、体内にコレステロールを供給する役割をしているのです
が、増加しすぎると血管などに溜まって様々な不調のリスクを高めてし
まうので、「悪玉」と呼ばれています。善玉コレステロールは血管壁にた
まったコレステロールを肝臓に回収するので「善玉」と呼ばれています。
そのため、善玉と悪玉コレステロールのバランスを保つことが大切です。
食事から摂取したコレステロールは、胆汁酸と結びつき、小腸から吸収さ
れます。大豆たんぱく質は、小腸で余分なコレステロールと結びつき、体
外に排出してくれるのです。

 

PMS症状の緩和

程度の差はあるものの、女性のみなさんは生理前になると、肌荒れやむく
み、便秘などの体の不調に加え、無性にイライラしたり落ち込んだりする、
経験はありませんか。それらは、PMS(月経前症候群)といわれ、女性ホル
モンが影響しています。豆乳に含まれる大豆イソフラボンはホルモンバラン
スを調整するので、PMS(月経前症候群)にも有効です。

豆乳は美容にも効果抜群

 

美肌

豆乳に含まれる大豆たんぱく質は、肌のぷるんやしっとりをアップする作用
があることがわかってきました。お肌の素になる成分であるたんぱく質です
が、アミノ酸バランスの整った良質なたんぱく質を摂取することが何より大
事なんです!

 

ダイエット

豆乳に含まれる大豆たん白にはお肌の素になる成分であるとともにダイエッ
ト効果が高いことが知られています。

食品のGI値という言葉をご存知の方も多いのではないでしょうか。GI値
(グリセミック指数)は、炭水化物が、分解され糖に変わるまでのスピード
を現した数値です。一般的にGI値の低い食品は、血糖値が急激に上がること
の抑制効果が期待できる食品と言われています。
血糖値が急激に上がるとインスリンという体内ホルモンが多く分泌されま
す。インスリンは糖を速やかに各組織に送る役割をしているものです。
糖がたくさんあって、インスリンもたくさん分泌されてという状況になる、
と体が『糖が体内にたくさんあるから、溜めておこう!』という反応をす
るのです。溜まった糖は脂肪になって、結果的に太ることに繋がります。
GI値が55以下であれば、低GI食品と言われますが、豆乳のGI値は23と
低GIな食品です。

まとめ

豆乳の魅力についていかがでしたか。
現在は成分や味にこだわったいろいろな豆乳が発売されているので、お気
に入りを見つけて、美しさと健康を手に入れてくださいね。